著者
後藤 雄二
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.85, pp.39-45, 2001-03-30

日本の都市システムは戦後の高度成長期に完成されたとされるが,その特性を理解するためには歴史的要因についても分析する必要がある。都市システムには国家的・地域的・日常的という地域スケ-ルを異にする階層性が存在する。本稿では戦前の東北地方について,地域的・日常的都市システムを分析することを目的とする。戦前の東北地方では,国家的都市システムに組み入れられた仙台,および,県庁都市,工業都市の成長がみられるが,昭和55年の境域についてみると港湾都市と小規模都市の成長が顕著で,これらにより都市規模の差異が縮小し,戦前に都市システム形成の萌芽がみられたことを示す。また,日常的都市システムについてみると,農村地域の中心都市での中心性が高く,地域的要因が強く作用しているといる。

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