著者
冨田 晃
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
vol.115, no.1, pp.79-81, 2016-03-01

人が人を食べる習俗をカニバリズムという。「獰猛野蛮の極み」といったイメージをもつこの言葉は、コロンブスによってスペインに報告され、その後、人肉を食らう裸族の想像画をともないながらヨーロッパ世界に広がっていった。「新世界」を「発見」したコロンブスは、まだ見ぬ異民族に対し、マルコ・ポーロによるアジアの話や、ギリシャ神話といった自分がもっている知識を総動員して「人食い人種カニバル」を想像した。それは、コロンブスが、自らの業績を輝かせ、野蛮な人々にキリスト教を伝える義務感を、キリスト教世界の人々に与えるためのレトリックだった。

言及状況

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コロンブスはカニバリズムについて言及しており、噂に過ぎないとされていましたが科学的に正しいかもしれないそうです。 コロンブスとカニバリズム https://hirosaki.repo.nii.ac.jp/index.php?action=repository_action_common_download&item_id=2580&item_no=1&attribute_id=20&file ...

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