- 著者
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辻 義人
- 出版者
- 小樽商科大学
- 雑誌
- 小樽商科大学人文研究 (ISSN:0482458X)
- 巻号頁・発行日
- vol.127, pp.103-118, 2014-03-17
大学における代表的なFD活動として,学生による授業評価が挙げられる。学生授業評価は,教員の授業改善の指針として実施されている。本研究は,学生自身が学生授業評価の設計と実施に関与する際の条件について,探索的検討を行うものである。 被験者に授業と教員の評価項目を作成させ,実際に質問票の配布と回収を行った。この結果,以下の3点が示された。①学生は授業評価の際に,知識や技能の獲得のみではなく,科目履修の容易さにも注目している。②話が面白くわかりやすい授業は評価が高い一方,評価が甘い・テストが簡単な授業は評価が低い。この傾向は,教員の評価とも一致している。③学生授業評価の設計に学生が関与するには,学生が授業評価の目的や意義について十分に理解する必要がある。日常的に,学生と教職員の間で十分な意見交換を実施することが望ましい。