著者
結城 里依
出版者
文化ファッション大学院大学
雑誌
文化ファッション大学院大学紀要論文集ファッションビジネス研究 = Bunka Fashion Graduate University Fashion Business Studies
巻号頁・発行日
vol.8, pp.5-24, 2023-03-31

本研究では、西洋、特にイギリスの中・上流階級において19 世紀後期から20 世紀中期に流行したスポーツ・レジャーと女性達が着用した衣服の関係について、製図形状、構造、着こなしを中心に調査し、その後の被服制作に与えた影響について考察を行った。身体上の性別区分に対して、一般常識として着用された衣服と美感、機能性、安全性との両立に対する模索が行われたことは、女性用乗馬服のサイドサドル用スカートのパターン形状と構造から推察することができる。ズボンを着用することが男性のみの特権であり、女性が着用することを禁止されていた時代に、スカートに股ぐり形状が組み合わされ、その着用が社会に受容されていく過程は、自転車用スカートのパターン形状と、構造、その着こなしにみることが出来る。この時代の女性服の構造変化は、現代の衣服プロダクトにおいて一般的な製作方法として受け継がれており、衣服製作の進化においても大きな影響があったことがわかる。

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PDFあり。 ⇒結城 里依 「歴史服の形状・技法研究 : 19世紀後期から20世紀中期における運動するための女性服」 『文化ファッション大学院大学紀要論文集ファッションビジネス研究』第8号 (2023/3) https://t.co/rUQ6F2ypqQ

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