著者
服部 有里子 中川 悠樹
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:24354856)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.19-23, 2020-12

交通事故死者削減・渋滞低減のため,自動運転・高度運転支援技術の開発が進められている。短い車間距離での自動運転隊列走行を実現するには,近接車間距離走行のための精密な車間距離制御が重要である。CACC(Cooperative Adaptive Cruise Control)は車車間通信により得られた前方車情報と車間距離を用いることで,前方車の加減速度変動を減衰伝搬するシステムであるが,車間距離制御においては単に自車が前方車との車間距離を維持するだけでなく,車群として安定した挙動となるように制御を行う必要がある。本研究では,車群の挙動を高精度で再現可能な車 両挙動モデルを構築し,高速域の車群に対する車間距離の変動と増幅について検証・評価した。シミュレーションにより検証した結果,車両10台の車群では一定の車間距離に収束しており,追突事故にならないことが分かった。ACCとCACCを比較すると,CACCの方が短い車間距離を維持しながら,安全な走行が可能である。CACCでは車群安定性が満たされており,前方車の車間距離変動が後続車に増幅伝搬していないことが分かった。交通流入量が多くない場合,CACCの方がACCより渋滞を緩和できると考えられ,CACCはサグ渋滞を改善できる可能性がある。

言及状況

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高速道路の自動運転において、10台の車群で制御するCACCを用いると短い車間距離で走行でき、ザグ渋滞を改善できる可能性があるっていう論文。 これは期待。 https://t.co/m0eV7bGGSM

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