著者
加藤 宏
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:24354856)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.95-100, 2017-12

「人の情報入力は視覚から8 割と“ いわれる”。」,だから,「視覚を失うことはほとんどの情報のない世界に生きることになる」は妥当か。これらフレーズの出どころをたどろうとすると引用元が明記されていない場合が多い。広く語られることの多いこの視覚優位について,この言説の出処と科学的根拠をたどってみた。さらに,人口に膾炙したこの言葉がなぜその根拠についてあまり疑問にも付されず繰り返し引用され再生されてきたのか,そして,人間への情報入力の問題をどのように考えるべきなのかを考察する。
著者
加藤 宏
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.95-100, 2017-12

「人の情報入力は視覚から8 割と" いわれる"。」,だから,「視覚を失うことはほとんどの情報のない世界に生きることになる」は妥当か。これらフレーズの出どころをたどろうとすると引用元が明記されていない場合が多い。広く語られることの多いこの視覚優位について,この言説の出処と科学的根拠をたどってみた。さらに,人口に膾炙したこの言葉がなぜその根拠についてあまり疑問にも付されず繰り返し引用され再生されてきたのか,そして,人間への情報入力の問題をどのように考えるべきなのかを考察する。
著者
大沢 秀雄
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.96-103, 2014-12

障害者スポーツに関する最も古い切手は1964 年にアルゼンチンから発行された東京パラリンピックの記念切手である。その後,パラリンピックの開催に合わせて,開催国を中心に記念切手の発行が行われるようになった。わが国の最初の障害者スポーツに関する切手はフェスピック神戸大会(1989)の記念切手であった。本論文ではスタンプショウ2014 に出品した「障害者スポーツ」(金銀賞)の切手展作品を基に障害者スポーツに関する切手を概説する。
著者
長野 留美子 小林 洋子 大杉 豊
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.31-35, 2019-03

耳のきこえない女性(以下「ろう女性」とする。)は,「障害者」と「女性」という二重差別の中で言語化の機会も乏しく,1950 年代まで抱える課題が可視化されてこなかった存在である。本報告では,「ろう女性」に焦点をあて,聴覚障害当事者団体の機関紙である日本聴力障害新聞の戦後の創刊当初から2014 年までを対象に「ろう女性」に関する記事を抽出し,データベースを作成した経緯について述べる。
著者
松尾 政輝 坂尻 正次
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.76-80, 2013-12

近年,数多くのコンピュータゲームが発売されているが,視覚障害者,特に画面を確認することができない全盲者がこれらを楽しむには多くの工夫と労力を必要とする。一方,視覚障害者向けのゲームも開発されているが,聴覚情報のみで遊ぶこのようなゲームは,健常者にとっては難易度が高いという側面がある。そのため,両者が十分に楽しむことのできるゲームはほとんど存在しない。したがって,視覚障害者は,健常者と同じゲームで遊び,話題を共有することが非常に困難な状況にある。そこで,健常者と視覚障害者の両者が十分に楽しむことのできる,音と触覚により視覚障害者も利用可能なバリアフリーゲームを開発した。本報告では,開発したバリアフリーゲームについて述べることとする。
著者
脇中 起余子
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:24354856)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.13-18, 2020-12

筑波技術大学の聴覚障害学生に対する1年次必修科目「日本語表現法A・B」の中で,レポートや論文執筆に際して,単なることばではなく概念としてのことばを扱う必要性を知らせたいと思い,正方形や長方形,菱形などの相互関係に関する問題を取り上げた。本学の入試に数学が課せられるコー スに在籍する学生(Ds群)は,小関(1995)の聴児の中学校3年生以上のレベルを超えており,数 学が課せられないコースに在籍する学生(Dd群)は,小関(1995)の聴児の中学校1年生から中 学校2年生のレベルであったことを見出した。そして,「最近接発達領域(ZPD)」と関連して,単なることばから概念に引き上げるための指導方法について考察した。
著者
井口 正樹 中村 直子
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.78-83, 2014-03

国際交流委員会活動の一環として,米国アイオワ州アイオワ大学での研修が平成25 年3月に1週間行われた。今回の研修には理学療法学専攻から2名の学生が参加し,研修初日には大学間交流協定締結のための調印式も行われた。その後の研修は,授業参加,研究活動見学,病院・医院見学などの内容で,短い期間ではあったが,本学学生は,勉学に対し積極的な現地学生の態度を肌で感じ,また日本の理学療法(士)の将来像にあたる米国理学療法士の臨床現場を見ることができた。これらの経験は,本学学生にとって今後の勉学や専門家としての心構えに良い影響を与えるものと思われる。
著者
村上 佳久
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.58-63, 2013-12

スーパーコンピュータ(以下:スパコン)の超小型タイプを製作し,スパコンとは何かについて原寸大で教育できるような教材化を行い,検証した。実際,作製した超小型スパコンは,東京工業大学の大型スパコンである"Tsubame 2.0"とソフトウェア面で互換となるように設計し,将来的は発展が見込めるようなものが実現できた。
著者
加藤 宏 青木 和子
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:18818587)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.19-29, 2007

平成18年度大学入試センター試験から英語リスニング試験が導入され、視覚に障害のある受験生にもリスニングが課されることになった。障害を補償するための特別措置方法と回答行動の分析は、今後、視覚障害者の英語教育研究の課題となると考えられる。リスニング試験は、時間延長に加えて連続・音止め方式という2つの試験方法を受験生が選択する方式が採用された。リスニング試験の視覚障害者特別措置としては他に実用英語技能検定(英検)の解答時間の一律2倍延長方式がある。本研究はセンター試験の試行テストと英検準2級問題のリスニング問題を用い、視覚障害学生の両試験における解答方略や認知リソースの配分を解答行動を中心に分析した。
著者
大沢 秀雄
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.78-93, 2012-03

わが国の点字郵便の料金減額化は大正6(1917)年7月15 日に始まった。その後、数度の料金改定を経て、昭和36(1961)年6月1日に無料化された。点字郵便の無料化によって、点字本・録音図書などが無料で送ることができるようになり、視覚障害者の教育・福祉に多大の貢献を果たした。本論文ではわが国の点字郵便制度の変遷を解説する。
著者
松尾 政輝 坂尻 正次
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:24354856)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.76-80, 2013-12

近年,数多くのコンピュータゲームが発売されているが,視覚障害者,特に画面を確認することができない全盲者がこれらを楽しむには多くの工夫と労力を必要とする。一方,視覚障害者向けのゲームも開発されているが,聴覚情報のみで遊ぶこのようなゲームは,健常者にとっては難易度が高いという側面がある。そのため,両者が十分に楽しむことのできるゲームはほとんど存在しない。したがって,視覚障害者は,健常者と同じゲームで遊び,話題を共有することが非常に困難な状況にある。そこで,健常者と視覚障害者の両者が十分に楽しむことのできる,音と触覚により視覚障害者も利用可能なバリアフリーゲームを開発した。本報告では,開発したバリアフリーゲームについて述べることとする。
著者
細谷 美代子
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:24354856)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.50-55, 2014-03

国語教科書における障害に関する記述はその時代の社会一般が障害をどうとらえているかを映すものである。平成22年検定済小学校国語教科書5種58点を調査した。調査の結果,聴覚障害と視覚障害に関わる教材について次のことが分かった。 1.視覚障害関係教材は聴覚障害関係教材より多い。 2.全体的に手話への関心は減少したが,手話をテーマとする優れた新教材が現れた。 3.視覚障害と点字に関しては3本の安定教材がある。学校教育における最も重要な学習材である教科書教材に障害者の姿と障害観がどのように現れているか持続的に検証していくことが必要である。
著者
石田 久之 天野 和彦
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:24354856)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.6-10, 2009-12

欧米の字体については、Russell-Minda, E. 他(2007) [1] により、 Times New Roman のような“ひげ飾り(上下端の細い飾り)”のある文字(セリフ文字)よりも、Arial(アリアル/エアリアル)、Verdana(ベルダナ)などのひげ飾りのない文字(サンセリフ文字)が、視覚障害者には読みやすいと報告されている。これをふまえ、日本語の書体について、視覚障害学生の読みやすい文字を、以下のように解説した。第1 に、使用する文字の大きさと無関係に、明朝系の文字を好む学生は多くはない。第2 に、14ポイントのような比較的小さな文字を使う学生は、MS ゴシックやHG 丸ゴシックなど、あまり太くないゴシック系の文字を好む。しかし、使用する文字が大きくなるにつれ、ゴシック系でも太い字体、MG ゴシックやHGS 創英角ゴシックへと読みやすい書体が移っていく。
著者
村上 佳久
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:24354856)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.58-63, 2013-12

スーパーコンピュータ(以下:スパコン)の超小型タイプを製作し,スパコンとは何かについて原寸大で教育できるような教材化を行い,検証した。実際,作製した超小型スパコンは,東京工業大学の大型スパコンである"Tsubame 2.0"とソフトウェア面で互換となるように設計し,将来的は発展が見込めるようなものが実現できた。
著者
劉 賢国
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:24354856)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.37-42, 2009-03

韓国の聾教育は アメリカを手本とした聾教育思想ゆえに、韓国国民の特性に合った、聾者等の権利に添った教育を施行することができずにいる。そこで、韓国手話の歴史的展開と価値、現代韓国の聾教育の 教育課程運営の問題点とその改善法案について調べた。
著者
近藤 宏 櫻庭 陽 香田 泰子 石塚 和重
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:24354856)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.69-73, 2019-03

スポーツイベントにおける鍼・マッサージ施術のボランティア活動の実践を通じて,鍼・マッサージ施術のボランティア活動に視覚障がいを有する施術者が参加する際の配慮に関する課題と方策について報告する。いきいき茨城ゆめ国体自転車競技(ロードレース)リハーサル大会のために設けられた特設ブースにて,鍼・マッサージの啓発を目的として・マッサージ施術を実施した。ボランティア参加者は16 人で,うち弱視者が8 人(学生3 人含む),全盲者1 人,晴眼者7 人であった。大会関係者および来場した一般市民73 人に施術を行った。終了後にボランティア参加者より活動に関して意見聴取した。視覚障がい者が鍼・マッサージ施術のボランティア活動を円滑に行うためには,視覚障がい者と晴眼者がペアとなり施術すること,施術器具の配置,十分な事前説明を行うことなど,配慮が重要であることが活動を通じて明らかとなった。
著者
服部 有里子 中川 悠樹
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:24354856)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.19-23, 2020-12

交通事故死者削減・渋滞低減のため,自動運転・高度運転支援技術の開発が進められている。短い車間距離での自動運転隊列走行を実現するには,近接車間距離走行のための精密な車間距離制御が重要である。CACC(Cooperative Adaptive Cruise Control)は車車間通信により得られた前方車情報と車間距離を用いることで,前方車の加減速度変動を減衰伝搬するシステムであるが,車間距離制御においては単に自車が前方車との車間距離を維持するだけでなく,車群として安定した挙動となるように制御を行う必要がある。本研究では,車群の挙動を高精度で再現可能な車 両挙動モデルを構築し,高速域の車群に対する車間距離の変動と増幅について検証・評価した。シミュレーションにより検証した結果,車両10台の車群では一定の車間距離に収束しており,追突事故にならないことが分かった。ACCとCACCを比較すると,CACCの方が短い車間距離を維持しながら,安全な走行が可能である。CACCでは車群安定性が満たされており,前方車の車間距離変動が後続車に増幅伝搬していないことが分かった。交通流入量が多くない場合,CACCの方がACCより渋滞を緩和できると考えられ,CACCはサグ渋滞を改善できる可能性がある。
著者
吉田 未来 磯田 恭子 白澤 麻弓 萩原 彩子 中島 亜紀子 石野 麻衣子 関戸 美音 三好 茂樹 河野 純大
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:24354856)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.29-35, 2020-12

筑波技術大学に事務局を置く,日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(以下,PEPNet-Japan)では年に3回,運営委員会を開催している。2020年度,第1回目となる「第41回運営委員会」は新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響で,オンライン会議での開催となり,情報保障も遠隔で行うこととなった。本稿ではこうした実践を元にオンライン会議実施時の情報保障事例について報告する。
著者
中島 亜紀子 白澤 麻弓 萩原 彩子 磯田 恭子 石野 麻衣子 吉田 未来 関戸 美音 三好 茂樹 河野 純大
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:24354856)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.1-6, 2020-12

新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策として,2020 年度から全国の多くの大学等高等教 育機関でオンライン授業が導入されたことに伴い,聴覚障害学生の授業参加における合理的配慮のあり方や情報保障支援の方法に大きな変化が生じた。本学障害者高等教育研究支援センターでは,2020年度4月以降,全国の高等教育機関における聴覚障害学生支援の総合的相談窓口として,オ ンライン授業に関わる情報保障支援や支援体制についての相談に対応してきた。本稿では,2020年度 4 月から9月における,聴覚障害学生支援に関わる相談対応の状況,及び支援に関する新たなコンテンツをまとめ,発信に取り組んできた活動状況について報告する。