著者
左古 輝人
雑誌
ジェンダーをめぐるコミュニケーション齟齬の研究 : 専門的概念の再帰性に着目して
巻号頁・発行日
pp.17-39, 2014-12-15

「ジェンダー」という概念それ自体に照準し,専門知と日常知の関係をあきらかにするという,これまでの研究方針ににもとづき,各自データの収集・分析をすすめ,研究内容をまとめた.以下の内容はそれぞれ,ひとつの報告書としてまとめられ,現在編集作業をおこなっている.左古研究分担者は,検索語「ジェンダー」で該当する論文を網羅的に収集したコーパスを完成させ,「ジェンダー」概念のフレーム(関連概念との共起関係)がいつどのように変遷したのかを量的に分析し,日本社会学会大会において発表した.鶴田研究分担者は,相互行為のなかで実際に「ジェンダー」に関するふるまいがおきる様子を,医療従事者やトランスジェンダーのひとびとへのインタビュー調査にもとづいて分析し,日本社会学会大会において発表した.林原連携研究者は,保守系論壇誌『諸君!』所収の記事を対象に,反フェミニズム言説がどのように変遷して,近年のバックラッシュ言説が登場したのかを分析し,日本社会学会大会において発表した.江原研究代表者は,①「ジェンダー」概念の導入や否定をめぐるかけひき(鶴田・林原両研究者が質的に分析)を,②「ジェンダー」概念の変遷という文化的背景(左古研究者が量的に分析)に位置づけた.

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