著者
吉村 有博
出版者
京都産業大学通信制大学院経済学研究会
雑誌
京都産業大学経済学レビュー = KYOTO SANGYO UNIVERSITY ECONOMIC REVIEW (ISSN:21880697)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.1-33, 2022-03

本論文はBernstein-von Mises定理に関する古典的な諸結果を概観し、現代的視点からその歴史的意義を明らかにするものである。具体的には定理に関連する書誌情報、定理の形式、当時の動機、応用例を整理し、頻度論統計学との関連を概観する。本論文の主要な貢献は定理の古典的諸結果の歴史的意義と、拡張された現代の定理との関連の解明である。特に、先駆的貢献者の間で事後分布の漸近正規性を導く動機は大きく異なり、その一部は信頼区間の正当化が動機に関連したことを指摘する。さらに、定理の発展には中心極限定理の発展や確率の公理化の運動が強く影響したことを指摘する。加えて、尤度関数の任意性、事前分布の特定化からの独立性、そして区間を代用する可能性の起源はベイズ統計学史の極めて初期に遡れることを指摘する。

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「こうした知見はベイジアンと頻度論のどちらか片方を考えるだけでは分からない部分であり、BvM定理を通してベイジアンと頻度論の相互の可能性をより深く理解できる可能性がある。」 https://t.co/Xr1iX74sdg

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