著者
鍵本 優
出版者
京都産業大学
雑誌
京都産業大学論集. 社会科学系列 (ISSN:02879719)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.293-330, 2022-03-31

「self」「personality」「主体」「identity」「自己」「自分」といった諸用語は,類似した意味を含みながらも,それぞれ特徴と限界をもつ。本稿の目的は,「自分」と諸用語を比較検討し,社会学的な「脱・自分」論の対象を分類・整理する認識枠組みを示すことである。本稿の結論は次のようになる。「自分」の語と概念には近代日本社会特有の複雑さがある。自分が「脱」の対象となるとき,その複雑さはとくに反映される。この考察は社会学に新たな理論的知見をもたらす。自分の再帰性には,内容の多様性以外に,形式の多元性が関わる。今後は,自分の再帰性に関わる多元的な形式にも着眼した社会学的議論が期待される。

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鍵本優『「自分」という語と概念の検討』 https://t.co/LhOb3g09e8

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