著者
高木 千恵 タカギ チエ Takagi Chie
出版者
大阪大学大学院文学研究科社会言語学研究室
雑誌
阪大社会言語学研究ノート
巻号頁・発行日
vol.7, pp.73-87, 2005-03

本稿では、大阪方言における述語の否定形式とそれを用いた否定疑問文を取り上げ、~コトナイという分析的な否定形式を中心に記述した。~コトナイは形容詞否定形式の一つだが、疑問形式と融合した~コトナイカは認識的モダリティとして固有の用法を持つ文末形式である。~コトナイカは、話し手にとって真偽が不明なことがらについての話し手の見込みを聞き手に伝え、話し手の判断の妥当性を聞き手に問うモダリティ形式であり、基本的に、話し手の認識を表す否定疑問文と置き換えることができる。否定疑問文はさまざまな用法を担っているが、~コトナイカはその中の一つの用法に特化したモダリティ形式であるということができる。また、「思う」の否定疑問形式にも~コトナイカに類似した用法がある。

言及状況

Twitter (2 users, 2 posts, 0 favorites)

収集済み URL リスト