著者
間宮 正幸
出版者
北海道大学大学院教育学研究院
雑誌
北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
巻号頁・発行日
vol.106, pp.1-20, 2008-12-18

本論では,戦後の児童青年精神医学と障害児教育の領域を中心に,わが国におけるフランス語圏心理学の影響を検討した。フランスでは,Rousseau,J-J.の子どもへの関心,Itard,J.M.G.の人道主義的な医学的教育学的実践,ビセートル病院におけるSéguin,É.の障害児教育などを源流とする理論と実践があり今日に至っている。しかし,わが国の発達教育臨床研究においては導入の過程でそうした本来の伝統領域が切り離されてしまった傾向がある。フランス語圏心理学の発達教育臨床論では,病理的心理学から発達論的心理学へという展開,運動と精神の同一性と対立に関する見解,発達の正常と異常に関する異質性と同一性の思想などが重要である。日本,フランス共に戦後は英国圏心理学の影響が大きいのであるが,子どもの権利や社会的リハビリテーションを重視する観点は,フランスの発達教育臨床の科学と思想の伝統の中で息づくもので,まず,これを導入しなければならなかったのである。

言及状況

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わが国におけるフランス語圏心理学の導入とその受容について (2) : 戦後の児童精神医学と障害児教育への影響を中心に/北海道大学大学院教育学研究院紀要/2008年12月(第106号)/間宮正幸 http://t.co/5ZtFw8EI

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