著者
平塚 志保
出版者
看護総合科学研究会
雑誌
看護総合科学研究会誌 (ISSN:1344381X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.25-36, 2007-12-31

日本において,看護師等による産婦への内診を含む助産行為は,2002年,2004年,2007年に出された行政通知によって禁じられている。本研究は,助産師の社会的需要はますます増大しているという観点から,以下について論じる。1. 医療法指定規則に定めのない助産師の需要は,助産行為を誰が担うのかに依拠する。とくに診療所では助産師を積極的に採用する方策が十分なされてこなかったために,無資格者による助産行為をせざるを得ない状況となった。2. 未就業助産師のなかで就業を希望する者は一定数存在する。3. 助産師の偏在は就労環境に依拠し,単に勤務条件,労働条件のみならず,継続教育の保証,助産師としての専門性が発揮できる環境,安全に助産業務が遂行できる人的環境,医師,看護師との役割分担とパートナーシップが重要である。4.現在,医療化された出産現場において助産師は,専門職としてのアイデンティティを取り戻し, 実践能力を高める努力が必要とされる。

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