著者
石岡 丈昇
出版者
北海道大学大学院教育学研究院
雑誌
北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
巻号頁・発行日
vol.107, pp.71-106, 2009-06-22

本稿は,P. ブルデューとL. ヴァカンのリフレクシヴ・ソシオロジーの方法に倣い,フィリピン・マニラ首都圏のジムに暮らすボクサーたちのボクシングセンスを再構成する試みである。ヴァカンが言うように,社会学は生身の身体を具象な水準で論じてこなかった。よって,身体の社会学を構想する必要性が90年代以降社会学界で叫ばれながらも,そこで対象として扱われるものは,<血と汗のにおい>を内包した私たちにとってタンジブルな位相にあるそれからは飛翔した身体言説の分析が支配的であった。ブルデューとヴァカンと共に,社会的行為者が特定のフィールドと親和性を持つ固有の道徳的倫理的図式のセット-本稿でボクシングセンスと呼ぶもの-を受肉化するプロセスを「客観化の技法を客観化しつつ」記述すること,さらにそこから理論化の構えを提示することが,本稿の目的である。

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[2/9] (石岡丈昇) ヴァカン (Loïc Wacquant) が言うように,社会学は生身の身体を具象な水準で論じてこなかった。タンジブルな位相からは飛翔した身体言説の分析が支配的であった。 ~「貧困世界におけるボクシングセンスの社会的構成 」https://t.co/YjmVKNe33e https://t.co/cBHrngaoMZ
文学といえば、最近偶然みつけた『貧困世界におけるボクシングセンスの社会的構成』という論文は文学そのものというか、物語の原型のようなものが詰まっていた。https://t.co/SSjTokZMXs

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