- 著者
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渡辺 謙仁
- 巻号頁・発行日
- 2011-09-19
現在進行中のソーシャルメディア上で展開する宇宙を題材とした興味深い協働学習の例として、「ソーシャルメディア衛星開発プロジェクトSOMESAT(サムサット)」が挙げられる。動画共有サイトなどのソーシャルメディアにおいては、異なるカテゴリのクリエイターたちの相互作用によってコンテンツが生成されることがあるが、SOMESATのプロジェクトは、特定の研究機関や大学、企業などによってではなく、また仕事縁や学閥などではなく、主にインターネット上で知り合った、異なるカテゴリの技術者や事務担当者たちの相互作用、つまりソーシャルメディア的な手法によって進められている。現在でもSOMESATには原則的に誰でも参加できる。つまりSOMESAT とは、ソーシャルメディアによる、ソーシャルメディアとしての衛星開発プロジェクトである。 著者によるこれまでの参与観察から、SOMESATのメンバーが持つ関心(宇宙・自主工作・キャラクターなど)やニーズ、共同体に対する意識が、メンバーのSOMESATへの参加を決定付けると考えられた。 SOMESATはインターネット上で集まったメンバーによる実践であることもあり、参加を決定付けるそれらの有様は様々であると考えられる。本研究では質問紙調査によってそれらを中心に調査し、SOMESATとは何かを大まかに捉え、結果を実践に活かすことを目指した。