- 著者
-
浅川 和幸
- 出版者
- 北海道大学大学院教育学研究院
- 雑誌
- 北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
- 巻号頁・発行日
- vol.119, pp.27-50, 2013-12-25
現在,道徳教育の教科化を進めるための議論が行われている。この議論の注目すべき点は,「新たな枠組み」で教科化を進めるというところにある。道徳教育の教科化は,生徒指導や進路指導も含めた広い領域で進められていることの一部にあたり,戦後教育の大幅な転換を目的としたものである。本稿は,現在の道徳教育の教科化を進める立場の研究者とは違った問題意識を出発点に,「新たな枠組み」を構想することを目的とした。道徳教育論の書籍の分析と,筆者自身の教職課程の講義「道徳教育論」における実践の分析から「新たな枠組み」提案を越えるための試論を行った。これらの考察から,中等教育の教科の枠組みの組み換えも視野に入れた提案が必要であると考えた。 The government in power took necessary measures to encourage moral education as an officialsubject. However, to be an official subject, the framework of moral education in terms of studentguidance and vocational counseling need to be revised?a significant transition in education afterthe war. This study proposes a new framework. I analyze moral education theory and classroompractices: moral education needs theoretical consideration of a design to completely reformsecondary education.