- 著者
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堀内 雅弘
- 出版者
- 北海道大学大学院教育学研究院
- 雑誌
- 北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
- 巻号頁・発行日
- vol.125, pp.63-78, 2016-03-30
高齢社会の現代,高血圧や動脈硬化といった生活習慣病に加え,老人性筋萎縮症が大きな問題となっている。有酸素トレーニングにより生活習慣病を改善させる試みは多くなされている。一方,このトレーニングの強度だけでは,老人性筋萎縮症を防ぐには不十分なことも報告されているため,近年では老人性筋萎縮症予防に筋力トレーニングが高齢者にも推奨されている。しかしながら,高強度筋力トレーニングは血圧上昇を伴い,血管機能にも悪影響を及ぼす可能性があるため,必ずしも推奨されるとは言えない。これに代わる方法として,低強度負荷に血流制限を加えることで,筋力増強をもたらす方法が考案された。本総説では,高強度の筋力トレーニングと低強度に血流制限を加えたときの筋力トレーニングが血管機能にどのような影響を及ぼすのかを概観する。