著者
魚住 智広
出版者
北海道大学大学院教育学研究院
雑誌
北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
巻号頁・発行日
vol.133, pp.1-22, 2018-12-25

本稿は,運動部活動が対外試合に参加するための条件に関する社会学的分析である。先行研究は,大会方式の見直しが将来の運動部活動にとって重要であると論じてきた。しかし,各方式の現状を検証せずに大会の形式的な見直しを求める議論には慎重にならざるをえない。 そこで本稿は,6つの高校サッカー大会を対象として,それぞれの大会がどのような学校の生徒にどれほど試合出場機会を提供しているかについて整理した。その結果,先行研究で推奨されてきたリーグ戦方式の大会は参加率が非常に低いことが明らかになった。また,大会への参加障壁一つひとつをクリアしようとしても,複数の障壁が組み合わさることで生じる参加者への負担が非常に大きく,大会参加を断念せざるをえない場合があった。よって今後は大会方式や大会規定を形式的に変更するだけでなく,チーム状況に応じた配慮やチーム同士の非対称的な関係への移行が必要であることが明らかになった。

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