著者
山口 晴敬
出版者
北海道大学大学院教育学研究院
雑誌
北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
巻号頁・発行日
vol.134, pp.63-80, 2019-06-27

本研究の目的は,インタビューによって得られたナラティヴを分析することを通して,高等学校の新任教員が,日々何に悩み,何によって支えられているのかを明らかにすることにある。 新任教員が入職してからどのような経験を踏まえてどのような思いや気づきがあったのか時系列で知るため,2名の新任教員に複数回インタビューを実施した。質問項目は,それぞれのインタビュー時期において,つらいことや苦しいこと,あるいは困難であると感じた出来事は何か,また喜びややりがいは何かである。 新任教員は,教員になって初めて,生徒との関係構築よりも先輩との関係構築が一番困難なことであることに気づき,同僚との関係構築を一番の気がかりとしていた。そして,関係性を築くことができなければ,教職遂行がスムーズにいかないとも考えていた。 また,新任教員から先輩への関係構築の働きかけをしても,先輩からの理不尽な言葉や行動で,教員という職業に対してまで,否定的な気持ちにもなっている。すなわち,同僚(先輩)が,新任教員が教職を遂行する上でのプラスの作用になってはいないということであり,新任教員にとっては同僚との関係構築が,避けて通ることのできない大きな課題となっている。 しかし,「同僚」は,一方で,新任教員を支える存在になることもこの研究によって明らかとなった。多くの場面で新任教員を気遣い,良き気付きを与えている存在として「同僚」や「管理職」がいた。そのような「同僚」や「管理職」の存在が、新任教員の教職遂行を支えていた。 同僚の支援が得られにくい高等学校においても,「同僚」や「管理職」が,新任教員の支えとなっていることは,「新任教員への支援」を考えるときの良き示唆となる。

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