著者
長 実智子 渡邊 誠
出版者
北海道大学大学院教育学研究院
雑誌
北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
巻号頁・発行日
vol.140, pp.259-308, 2022-06-25

自傷行為当事者にとっての自傷行為の役割を明らかにすることを目的とし,女性自傷行為経験者5名に対して面接調査を行い,データを質的研究の手法により分析した。その結果,自分自身では対処不能であり,過剰なストレス状態が長期的に継続し,周囲に対して援助希求行動が取れない場合に,何とか生き抜くための即効性のあるストレス対処戦略として自傷行為が生じることが示された。また,当事者との信頼関係のもとで語られた逐語データの提示を通じて,一人一人の自傷行為にまつわる表現の多様さを示し,その固有の表現にこそ臨床家が汲み取るべきものがある可能性を示唆した。

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『自傷行為を行った際にはエンドルフィンと呼ばれる一種の脳内麻薬が分泌され不幸感情の軽減につながるとされている。これにより,自傷行為はアルコールやギャンブルと同じように依存症の状態に陥りやすい行為だと示唆されている(松本 2015)』 #KnightA48時間リレー生放送 https://t.co/aVGMgDrKaM

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