著者
中沢 紀子
出版者
筑波大学大学院博士課程文芸・言語研究科日本語学研究室
雑誌
筑波日本語研究 (ISSN:13424793)
巻号頁・発行日
no.9, pp.55-68, 2004-11-30

本稿は、中世末期の日本語を反映していると言われるキリシタン資料を用いて、連体節述部のウ・ウズルがどのような条件下で現れやすいのか、その使用実態を調査したものである。調査から、連体節述部のウ・ウズルは「動詞+ウ」「動詞+ウズル」といった述部形式が多く、タリやテアルとウ・ウズルとの共起は殆どみられないことがわかる。また、この連体節の被修飾名詞には、形式名詞の出現傾向が高い。連体節述部と共起する副詞には、時間・時点を表す副詞の用例が多くみられる。これらの副詞が表す連体節の事態についてみると、時間的前後関係は主節の表す事態より後のものである。

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