- 著者
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久野 靖
角田 博保
- 出版者
- 情報処理学会
- 雑誌
- 情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
- 巻号頁・発行日
- vol.29, no.9, pp.854-861, 1988-09
近年,ピットマップ画面とマウス装置を持ち,Unixオペレーティングシステムを搭載した高機能ワークステーションが多く見られるようになっている.しかし実際にこれらのシステムの使われ方を見ると,利用者は単にピットマップ画面上に複数の端末窓を開き,その上で作業をしているにすぎないことが多いように思われる.そこで筆者らはそのような環境の問題点を分析し,ごく少数のツールを作成することでその欠点を補うことを試みた.これらのツールは既存のUnix環境を置き換えるものではなく,Unixの多数の指令群と有機的に組み合わせて使えるようなものとした.これらのツール群は起動されると端末窓とは独立に窓を開き,そこに表示された情報は利用者が陽に指示するまで消えることなく利用可能である.これらのツール群により非常に多数の窓が作られるため,その有機的な関係を整理し使いやすくすることにも留意した.またこれらのツール群の有効性を調べるための簡単な模擬実験も行ったが,その結果,必要な情報がスクロールして消えて行ってしまうという端末窓の問題点が大幅に改善されたとの感触を得た.