著者
久野 靖 角田 博保
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.721-730, 1990-05

近年,ソフトウェア開発環境を中心にウィンドウシステムの使用が一般化しつつある.これらのシステムの大部分では窓(ウィンドウ)の位置や大きさなどの制御にマウスを使用する設計になっているが,プログラム開発や文書作成などの場合は特に利用者が手をキーボードに置いていることが多く,マウスに手を移す負担は無視できない.この問題を解消する試みとして,筆者らはキーボードのみを使用して窓を操作する機構を X-Window Version 11 上に作成した.また,いくつかの典型的な窓操作をこの機構とマウスを使用する機構の両方で行い,そのタイミングデータを採取して検討した結果,キーボードのみによる窓操作が有効であるとの結果を得た.本論文ではまずウィンドウシステムにおける窓操作機構の位置づけについての検討を述べ,続いてその検討に基づいて筆者らが作成したキーボードのみを使用するウィンドウマネージャ kwm の設計と実現について説明する.続いて kwm の有効性を評価するために kwm をマウスを使用するウインドウマネージャ uwm と比較した実験について説明を行い,さらに実験結果の検討から上記の結論を導いている.

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