著者
Kanai Kiyoshi
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大學地震研究所彙報 = Bulletin of the Earthquake Research Institute, University of Tokyo (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.359-366, 1961-12-15

地球内部には,いくつかの不連続面がある.その不連続面を地震波が通過するときの,境界条件としては,変位ならびに応力が連続という仮定が,一般に採用されてきた.しかし,ひるがえつて考えてみると,この仮定の是非は,よく吟味されたというものではなさそうである.本研究は,上に述べた仮定を変えると,はたして,どんな結果が生れるかということを,しらべてみたものである.ここでは,不連続面で有限の大きさの,""すべり抵抗""のようなものを考えてみた.取扱つた地震波はSH型表面波である.数値計算の結果,""すべり抵抗""の値が非常に小さい場合を別にすると,分散曲線は従来のものと大して変らないことがわかつた.しかし,減衰の性質としては,従来の理論的研究結果では見られないものが得られた.即ち,減衰は周期の1乗とか2乗とかに逆比例するというようなものではなく,ある周期に極大があることになつた.この結果は,最近,長周期の表面波に関する研震的研究結果と定性的には,よく合うものである.

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編集者: Bcxfubot
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