著者
相田 勇
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大學地震研究所彙報 = Bulletin of the Earthquake Research Institute, University of Tokyo (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.519-531, 1985-03-30

1741年北海道渡島半島沿岸から津軽地方にかけて襲った津波は,その規模の大きさからみて,地震によるものとする方が考え易い.しかし地震があったとする確かな古記録が,現在のところ見当っていない.そこで渡島大島の噴火によって発生するとしたら,どの程度の津波が期待できるかを見積った.渡島大島北側の大崩壊地形に見合う量の,土石なだれと,空気と混合した大規模な粉体流を仮定して,津波発生の数値実験を行った,結果は渡島沿岸の津波の高さが,1741年津波の1/3~1/4にしかならず,また津波のエネルギーも2桁位小さい.

言及状況

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