著者
渡辺 美穂 釜井 隆男 増田 聡雅 古谷 信隆 米沢 智子 中西 公司 神原 常仁 辻井 俊彦 吉田 謙一郎
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.50, no.7, pp.505-509, 2004-07

32歳男性.患者は約2年前に右精巣腫瘍(病理検査ではセミノーマと診断)により高位精巣摘除術を施行した病歴があり, 今回, 左側背部痛が出現したために受診となった.所見では左第10肋骨部背側に超鶏卵大, 弾性硬の腫瘤が触知され, CTでは左第10肋骨起始部に腫瘤を認めた.更にMRIのT1強調像では同肋骨は軟部腫瘍に置き換わるように断裂し, T2強調像では高信号の腫大した軟部組織を横突起間近まで認めた.これらより吸引細胞診でセミノーマと診断し, セミノーマの肋骨への血行性転移と考え, BEP療法を行い62.5%の腫瘍縮小率を得た.しかし残存を疑い, 末梢血幹細胞移植併用の大量化学療法を加え, 左第10肋骨広範切除術を行なった結果, 現在も再発は認められていない

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