著者
五十嵐 淳
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.610-617, 2004-06-15

Java 1.5ではJava言語の導入以来初めての大きな言語仕様の変更が行われる。そのうちの主要なものとして総称クラス(generic class)・ワイルドカード型の導入が挙げられる。総称クラスとは、C++言語のテンプレートのような、型パラメータにより抽象化されたクラス定義のことであり、ベクトル・木・リストなどの汎用データ構造のプログラミングにおいて有用である。総称クラスはML、Haskellなどの型付き関数型言語でみられる多相的型付けを応用した機構であるが、最近の筆者らによる研究において、(型付き)オブジェクト指向言語において伝統的である、部分型多相との新しい融合手法が考案されている。ワイルドカード型は、この手法に基づき導入された機構である。本稿では、型システムの改良が、いかに言語の柔軟性を損なうことなく、プログラムの安全性の向上に貢献できるかという例として、これらの機構を概観する。"

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多相型付けによる安全かつ再利用性の高いオブジェクト指向プログラミング 五十嵐淳

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