- 著者
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鈴木 俊哉
- 雑誌
- 研究報告デジタルドキュメント(DD)
- 巻号頁・発行日
- vol.2012-DD-86, no.3, pp.1-10, 2012-07-12
広く使われる漢字の分類方式として部首・画数分類方式がある。現在普及している部首体系は康煕字典の部首分類、および、康煕字典部首を常用漢字字体に基いて縮約したものである。しかし、康煕字典以前の字書の部首分類は必ずしも康煕字典の体系と一致しておらず、また、特定の部首体系が支配的だったわけでもない。そのため、ある漢字がどの部首に配置されるかは必ずしも一定しておらず、しかも配置された部首の字形が似せられてしまうため、字書ごとに字形が異なるという状況があった。近年、漢字字典の収録字数を増やすために、それらの古字書から漢字を採集したため、実際には使い分けが不能であるにも関わらず、字書ごとに異なる部首に配置され、あたかも別字のように考えられて国際標準符号にとりいれられる問題が発生している。本稿では説文解字に存在したが、その後消滅した部首について、そこに含まれていた漢字がどのように分散し、漢字分類方式によって字形がどのように変化したかの調査結果を報告する。あわせて、国際標準における漢字統合規則の改訂の必要性について考察する。