著者
大野 邦夫
雑誌
研究報告デジタルドキュメント(DD)
巻号頁・発行日
vol.2014-DD-93, no.1, pp.1-8, 2014-03-22

欧米の文書管理は、組織における管理責任に基づく文書の分類とアクセス管理を支援する厳格なファイリングシステムにより特徴付けられ、結果的に文書の執筆者、編集者、発行者などの個人的役割と責任が明確化される点に特徴を有する。それに対し、日本の文書管理は、発端が単に綴じ紐で分類されるだけの文化であったことから、個人の関わりや責任はあいまいであり、組織やグループの便宜的なルールに支配されることが多い。その結果、重要な文書が廃棄されたり隠蔽・改ざんされる事態が発生し、日本の社会制度の一つの欠陥となっている。欧米の文書管理の伝統は真理の探究を標榜する西欧キリスト教文化における組織の正統性の確保のための情報管理に端を発する。科学技術の発展に伴う脱宗教の時代においても事実と論理を重視しするために、組織における記録文書の役割や位置づけは明確に規定され、それがアクセス管理と厳格なワークフロー管理に継承されている。本報告では以上の問題を技術文書の管理について具体的な分析を試み考察すると共に、欧米流文書管理と日本的文書管理をフィードバック・モデルで考察する手法を提案し、今後の文書管理のあり方や専門家の育成への展望を試みる。

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「Study the Past.」、「What is Past is Prologue.」は、米国の国立公文書館の碑に刻まれた文であるがドキュメントの本質を語っている。 日本と欧米における技術文書管理の比較 https://t.co/IQqqpboELs
科学技術の発展に伴う脱宗教の時代においても事実と論理を重視するために、組織における記録文書の役割や位置づけは明確に規定され、それがアクセス管理と厳格なワークフロー管理に継承されている。/ 日本と欧米における技術文書管理の比較 https://t.co/sPCYkBOlRs

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