- 著者
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長谷川 隆
- 雑誌
- 情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
- 巻号頁・発行日
- vol.55, no.12, pp.2546-2558, 2014-12-15
本論文では,音楽から受ける作曲家らしさの印象と作曲家の時代/地域の印象を同時に説明し定量的に測定できる工学的手法を目指して,音楽学における様式分析手法の1つであるLaRueらの綜合的様式分析において論じられている様々な定性的特徴の意味を解釈することにより,一般の演奏家による音楽音響から抽出可能な情報を用いた特徴量を提案する.正準判別分析の作曲家推測精度を求めることにより,提案した特徴量群による特徴空間上で同作曲家の楽曲が近接して配置されることが示された.また,同特徴空間上で,作曲家特徴重心点の1座標が作曲家の年代と相関し,他の座標が地域を表すことが示された.さらに作曲家が未知の作品特徴点が,時代/地域が共通した作曲家の特徴点に近接して配置されることが示された.以上から,提案した特徴群は「作曲家らしさ」と作曲家の時代/地域の印象を同時に説明する尺度として妥当性を持つと考えられる.