シングルソースデータからユーザの購買行動を引き起こした要因を推定するための購買行動モデルを提案する.シングルソースデータとは,商品の購買履歴と広告閲覧履歴とを各ユーザ ID に紐づけて収集したものである.1) 個人の嗜好,2) 他者から受ける影響,3) メディア広告から受ける影響の 3 つの要因に基づく確率過程にしたがって起こるものとしてユーザの購買行動をモデル化する.提案モデルは購買行動が起こった時刻において各要因がどの程度影響しているかを分析することにより,購買行動を引き起こした要因を推定することができる.実シングルソースデータを用いた評価実験では,提案モデルが比較手法よりも高精度にユーザの購買行動を予測可能なことを確認した.この結果は,提案モデルがユーザの購買行動をより正しく説明できることを示しており,提案モデルにより推定された購買要因が妥当であることを示唆するものである.さらに,企業による TV 広告がどの程度購買につながったかという観点で広告効果を分析した結果について報告する.