著者
田中 佑典 戸田 浩之 湯口 昌宏
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
JSAI大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.1L13, 2018-07-30

<p>サッカーやバスケットボールなどのチームスポーツにおいて,試合中の選手のプレイ履歴(プレイログ,位置情報など)が大規模に取得可能となってきている.チームスポーツにおいて試合を有利に進めるためには,数的優位な状況をつくることが重要である.本研究では,実際のサッカーデータに基づいて,数的優位な状況をチームがどのようにして作り出すことができるのかについて分析し,それを作り出す過程について考察する.</p>
著者
境 有紀 野尻 真介 熊本 匠 田中 佑典
出版者
JAPAN ASSOCIATION FOR EARTHQUAKE ENGINEERING
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.79-106, 2008 (Released:2010-08-12)
参考文献数
8
被引用文献数
6 6

2007年能登半島地震を対象として, 震度6弱以上を記録した全ての強震観測点と5 強を記録した一部の強震観測点周辺の被害調査を行った.震度6 強を記録した全ての強震観測点周辺で, 全壊木造建物が見られた.中でもK-NET穴水と輪島市門前町走出震度計周辺では, 木造建物全壊率は20%近くに達していたが, 多くは老朽化した建物, 1階が商店等で開口部が広い建物であった.震度6弱を記録した観測点は, 全壊木造建物が見られたところとそうでないところがあり, 同じ計測震度でも被害状況にばらつきが見られた.また, いずれの強震観測点周辺にも非木造建物で大きな被害を受けたものは見られなかった.強震記録を見ると, 様々な周期特性をもった地震動が発生しており, 中でも周辺に大きな建物被害があり, かつ, 1.5-2秒程度とやや長い周期に大きな応答をもった地震動が初めて記録されたJMA 輪島は, 貴重なデータとなった.収集した建物被害データと観測された強震記録を用いて, 建物被害と地震動の性質の関係について検討した結果, 強震観測点周りの被害は, 概ね建物の大きな被害と相関が高い1-2 秒応答で説明できるものであったが, JMA輪島の被害レベルは, やや説明が難しいものであった.
著者
田中 佑典
出版者
北海道大学大学院教育学研究院 臨床心理発達相談室
雑誌
臨床心理発達相談室紀要 (ISSN:24347639)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.49-69, 2022-03-18

障害当事者が自身の障害を語ろうとするときには何をいかに語ればよいのか、語り手と聞き手の相互作用という観点から「障害」の語りを実験的に検討し、考察した。先行研究では、当事者性の不確かな人が自分を語るときには、何をいかに語ればよいか、という知見が不在であった。そこで本稿では、自身が納得できるような「障害」の語りとはどのような場で何をいかに語ることか、そこでは「障害」はどのように語られていくのかを検討した。その結果、「障害」を語る際には、語り手が一方的に語るのではなく、語り手と聴き手が共に応答し合う必要性が明らかになった。また、引責から免責や主体の解体へ、因果論から現象や状況へと移行するように語り紡ぐことの重要性も示唆された。 なお、本研究では、筆者が医学的診断を受けた脳性麻痺や広汎性発達障害、それらの語義や症状を鍵括弧のつけない障害と定義する。それ以外の語られた物事をすべて「障害」として捉える。
著者
田中 佑典 倉島 健 藤原 靖宏 岩田 具治 澤田 宏
雑誌
第8回Webとデータベースに関するフォーラム論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.197-204, 2015-11-17

シングルソースデータからユーザの購買行動を引き起こした要因を推定するための購買行動モデルを提案する.シングルソースデータとは,商品の購買履歴と広告閲覧履歴とを各ユーザ ID に紐づけて収集したものである.1) 個人の嗜好,2) 他者から受ける影響,3) メディア広告から受ける影響の 3 つの要因に基づく確率過程にしたがって起こるものとしてユーザの購買行動をモデル化する.提案モデルは購買行動が起こった時刻において各要因がどの程度影響しているかを分析することにより,購買行動を引き起こした要因を推定することができる.実シングルソースデータを用いた評価実験では,提案モデルが比較手法よりも高精度にユーザの購買行動を予測可能なことを確認した.この結果は,提案モデルがユーザの購買行動をより正しく説明できることを示しており,提案モデルにより推定された購買要因が妥当であることを示唆するものである.さらに,企業による TV 広告がどの程度購買につながったかという観点で広告効果を分析した結果について報告する.
著者
田中 佑典 倉島 健 藤原 靖宏 岩田 具治 澤田 宏
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.580-593, 2017-02-15

本稿では,シングルソースデータを入力としてユーザの購買行動を引き起こした要因を推定する手法を提案する.シングルソースデータとは,各ユーザに対して収集された購買履歴およびメディア広告の閲覧履歴である.提案モデルでは,ユーザの購買行動が(a)個人の嗜好,(b)他ユーザからの社会的影響,(c)メディア広告の影響の3つの要因を考慮した確率過程に従って生成されると仮定する.ユーザ間および企業とユーザ間の潜在的な影響関係を推定し,それらをモデルに組み込むことによってユーザの購買要因を特定する.実データを用いた評価実験では,ユーザの購買予測精度を比較することにより提案モデルの妥当性を示した.さらに,実データを用いて人気商品や影響力のあるユーザおよび企業の抽出,購買を引き起こした要因の分析,および,推定された購買要因に基づくユーザセグメントを行った結果について述べる.This paper proposes a method for inferring the factors that trigger purchases from single-source data. Single-source data are the histories of item purchases and media advertisement views for each individual. We assume a sequence of purchase events to be a stochastic process incorporating the following three factors: (a) user preference, (b) social effects received from other users, and (c) media advertising effects. As our model incorporates the latent relationships between users and advertisers, it can identify the purchase triggers. Experiments using real-world single-source data sets show that our model can achieve high prediction accuracy for purchases. We also show that our model can discover the key information, i.e., popular items, influential users, and influential advertisers, and estimate the relative impact of the three factors on purchases. Furthermore, our model can find user segments based on the estimated purchase triggers.