著者
寺田 雅之 山口 高康 本郷 節之
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.9, pp.1483-1500, 2017-09-15

個人に関わるデータの公開・提供にあたっては,開示されたデータから個人のプライバシが漏洩することを防ぐ必要がある.本稿では,それらのデータを匿名化された個票データ(microdata)である匿名化個票として開示する際において,強い数学的な安全性が示されている差分プライバシ基準を充足しつつ,データの有用性を高く保つ方式を提案する.提案方式は,属性空間を完全に分割した分割表と個票データは多重集合の意味で等価であることに着目し,完全分割表に対するLaplaceメカニズムの適用と,ベクトル空間における最近傍探索に基づく非負制約,整数制約,総数制約の充足により匿名化個票を得る.また,提案方式の有用性を評価するために,売上履歴を模したロングテイル性を持つ擬似的な個票データを用い,L2距離,KS-距離を指標として従来方式と定量的に比較評価し,従来方式と比べて元データの性質をより強く保持する匿名化個票が得られることを示す.

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