著者
寺田 雅之
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.591-599, 2020-05-15

差分プライバシは,任意の攻撃に対する汎用的な(“ad-omnia”な)安全性を実現するためのプライバシ保護の枠組みであり,さまざまなプライバシ保護手段に対して“ϵ”で表される統一的な安全性指標を与える.本稿では,米国国勢調査局(US Bureau of Census)による2020年の国勢調査での差分プライバシ導入の背景を紹介し,差分プライバシの定義とその意味するところを説明する.また,合成定理(composition theorem)などの差分プライバシの特徴とそれによる利点,および差分プライバシを普及させていく上での現状の課題と今後の展望について議論する.

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