著者
力武 健次
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2020-IOT-51, no.1, pp.1-8, 2020-08-27

電波は限りある公共の資源であり電波を使う無線通信や放送は歴史的に厳しい監理の下に運用されてきた.無線機器も目的を限定した独自仕様の専用機として開発されるのが主であった.しかし 2010 年代に入り多目的に使えるソフトウェア無線機(SDR)の入手が容易となり関連ソフトウェアやハードウェアの仕様や詳細実装情報の公開(オープン化)がインターネットを通じて行われるようになった.また無線通信に関する情報も世界各地で収集されインターネットでオープンなデータとして開示されている.これらのインターネットによるオープン化と SDR 化を前提とした無線の利用形態の変化に従来の監理および管理体制は追従できておらず,オープン化による新たな利用法の実現やその実現に伴い発生する問題の解決に対応できていない.本稿では 2010 年代以降の筆者のオープンソース SDR 実装作成やアマチュア無線を通じたオープンサイエンス活動への参加など無線のオープン化に関連する活動で得た知見について紹介し,今後の電波による無線通信の監理および管理体制,セキュリティ確保,新たな利用法の実現に必要な技術開発促進など今後のあるべき姿について議論と提言を行う.

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IOT51/SPT39セッション1:ネットワーク最初の発表です. ○力武 健次 (力武健次技術士事務所/GMOペパボ): インターネットとオープンな無線技術の今後 https://t.co/fYdjJMeukP

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