著者
西薗 良太
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.12, pp.1164-1167, 2020-11-15

ツール・ド・フランスは筆者が20代を通じてプロ選手をしていたロードレースという競技のトップレースである.2020年のツール本戦はコロナ禍によって日程を7月上旬から変更して8月29日より開始した.全21ステージ,3482kmという壮絶なレースである(UAEエミレーツ/スロベニアのタデイ・ポガチャルが初優勝).これに先立ち本来の日程であった7月が空白となってしまうのを避けるべく,2016年頃から盛んとなってきたオンラインサイクリングのプラットフォームである「Zwift」とツール主催者であるASOが提携してVTDFが実現した.7月3週間の毎週末,6ステージという小規模なものではあるが,実際にツールに出るチームから数人ずつ遠隔で選手が参加し,オンライン上でエキシビションレースが展開され,世界中の人々がYouTube Liveなどを通してバーチャルサイクリングレースを観戦した.リアルイベントとは異なり総合成績はチーム毎に争われ,NTTプロサイクリングチームが優勝を果たしている(NTTは大会のテクノロジーパートナーでもある).以下Zwiftのようなバーチャルサイクリングがなぜツール・ド・フランスという世界有数のリアルイベントにまで食い込むことができたのかという文脈について説明する.

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[情報学広場:情報処理学会電子図書館](https://t.co/bUeOQeuWyH) 「現実世界と融合したeSports ; バーチャル・ツール・ド・フランスを技術からひもとく」 学会誌のこの記事が無茶苦茶面白かった。

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