著者
古瀬 徳雄
出版者
関西福祉大学研究会
雑誌
関西福祉大学研究紀要 = The Journal of Kansai University of Social Welfare (ISSN:13449451)
巻号頁・発行日
no.3, pp.149-182, 2001-03

Sibelius,Johan(Jean)Julius Christian (1865~1957) は、フィンランドの作曲家として自国の民族を主題とする作品を始め、ピアノ小品から歌劇までの領域を持ち、正統的な作曲法によって普遍的な評価を得ている。とりわけ絶対音楽からなる彼の完成交響曲は《7番》まであり、《8番》については初演の契約までこぎつけながら作品を破棄したとされている。彼は91歳まで生き、日本の年号では江戸終末期から昭和32年までに及び、西洋音楽史では〈トリスタンとイゾルデ〉の初演からホヴァネスの〈日本の浮世絵による幻想曲〉を小沢征爾がシカゴで指揮した年までに相当し、シューベルトの3倍生きたことになる。しかし、実際の創作期間は1929年まででその後30年近くは創作活動が空白となっている。このことについては様々な推測がなされ、多くの書では鬱病を中心とした精神疾患によるものとしているが、そこには明確な証拠が見出せない。そこで彼の《交響曲第7番》と歴史的にも空間的にも音楽的にも距離のある〈マタイ受難曲〉を対比させ論を展開し、創作を停止した原因を新たな視点から追求していくことにする。

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@Sibelius_Op105 シベリウスの晩年に関して、この論文がなかなか面白いですよ。http://t.co/TqoOnNxYhY

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