- 著者
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金澤 麻由子
Mayuko KANAZAWA
- 出版者
- 神戸芸術工科大学
- 雑誌
- 芸術工学2015
- 巻号頁・発行日
- 2015-11-25
四季は、日本人にとって感情を写す対象として、多くの作品に登場している。その移ろいによって心のありようまで変わっていく。本作「うつろい いろは」は、日本の風景、こころのふるさとをテーマに京都の大覚寺『大沢池』を描いた50mの絵画に、四季によって体験が異なる4場面のインタラクションを備えたメディアアート作品である。「春」では、手を上げる動きにより、そこから花のアニメーションが生成する。「夏」では、鑑賞者は神話的動物へと変身し、動物と一体となるカナダ先住民の精神世界を体験する。「秋」では、鑑賞者の動き(ジャンプ)に応じて手描きアニメーションによる動物たちが登場し、多様な生きものたちのポリフォニー(多声)が響き合う。「冬」では鑑賞者の顔が映されるインスタレーションおよび、iPhoneアプリの作品である。アプリ『ゆきんこ』をダウンロードすることで、インスタレーション作品を持ち帰るという試みに挑戦した。2014年夏に東京都現代美術館で開催した「ワンダフルワールド」展での本作の展示風景とともに制作意図、制作方法など解説する。