- 著者
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伊東 秀幸
- 雑誌
- 田園調布学園大学紀要 = Bulletin of Den-En Chofu University
- 巻号頁・発行日
- no.5, pp.41-56, 2010
都市部を中心に民間患者搬送業者が家族等からの依頼を受けて、精神障害者の入院に伴う搬送業務を請け負うという事例が問題化されたことから、1999(平成11)年の精神保健福祉法改正によって移送制度が創設された。法第34条による移送制度は、受診を拒否する精神障害者の移送を都道府県知事の責任において実施されるものである。ところが創設当時から、地域間の格差が大きいことなどさまざまな問題が指摘されていた。創設から10年経過したが、当時の問題が未だに解消されておらず、現在でも民間患者搬送業者による患者搬送が実施されている現実がある。今後、受診について非自発的な患者の医療アクセスを保障する手段として、移送制度を適正に実施されなければならないと考える。