著者
斉藤 くるみ
出版者
日本社会事業大学
雑誌
日本社会事業大学研究紀要 = Study report of Japan College of Social Work : issues in social work (ISSN:0916765X)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.173-200, 2015-03

現在まで、聴覚障害者の書記日本語の実用的運用能力の改善を目指すための教授法や教材は、日本においては、開発されてこなかった。しかしICT の発達と相まって書記日本語のスキルが高ければ、必ずしも発話ができなくても、今や能力を発揮できる職種は十分あるし、高等教育機関への入学、そしてその後の学習にも支障は少なくなる。本研究では、書記日本語のエラーアナリシスに基づき、統語論的・形態論的・意味論的習得及び語用論習得のための教授法を体系的に構築することを目指した。ろう者・難聴者の言語パフォーマンスを資料とし、エラーアナリシスを行ったところ、日本手話者については主に日本手話の統語論的影響が現れ、難聴者については主にうろ覚えや経験不足からの意味論的・語用論的エラーが現れた。それらを集中的に修正するような教授法や教材が有効であると考えられた。(本報告書を基にろう・難聴児の進学や就労に有益な書記言語習得のためのリーフレットを作成した。)

言及状況

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とりあえず今日読んだ論文。斉藤くるみ先生による、聾者の書記日本語のエラーについて書かれたもの。英語とはまた異なる、日本語独自の問題だなと思いますが、手話と書き言葉の差異についてとっかかりが掴めて面白かったです。 https://t.co/2kkNUVtXCg

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