- 著者
-
藤丸 麻紀
MAKI FUJIMARU
- 出版者
- 和洋女子大学
- 雑誌
- 和洋女子大学紀要 = The journal of Wayo Women's University (ISSN:18846351)
- 巻号頁・発行日
- vol.51, pp.129-141, 2011-03
本稿では、子ども手当のGDPに対するマクロ経済効果として乗数分析を行い、出生率に対するミクロ経済効果として家計内生産理論モデルによる子どもに対する需要関数の分析を行った。またデータ分析を行い、理論による分析を補足した。 GDPに対するマクロ経済効果としては、消費拡大効果はあるものの、子ども手当の財源確保のために政府消費削減、公共投資削減、増税などが伴えば、GDPにはマイナスの効果をもたらすことが分かった。 また、出生率に対するミクロ経済効果としては、子どもへの需要を増加させる効果はあるが、子ども手当が生涯所得に与える影響が小さければその効果は小さいと考えられることと、子どもへの需要が増加しても出生率は変わらず子ども一人当たりの支出を増加させる可能性もあることが分かった。 データによる分析では、期待される生涯賃金が減少していることや女性非正社員の賃金の低さが出生率の低下につながっていると考えられることが分かった。したがって、子ども手当の支給よりも、保育サービスの提供や保育料負担軽減などを行った方が所得を増加させ出生率増加につながるのではないかと考えられる。