- 著者
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玉井 建也
- 巻号頁・発行日
- 2022-03
日本のラブコメは若者のための若者が主人公の物語と評され、主人公とヒロインの宙ぶらりんの関係が続くとされている。2010年代後半のライトノベルを見ていくと、既存のラブコメに当てはまらない作品が存在する。一つはファスト風土化した地方都市・郊外を舞台にした作品では、新しい価値観を見出すことができる。またラブコメは学校を舞台とし、教室を描くことが多く、スクールカーストがよく取り上げられる。スクールカーストの階層を超えていく物語が多いが、逆に構造を追認・強化してしまっている。しかしそのスクールカーストの構造を突破するためには、幼なじみの存在が重要であり、地縁的関係性が先行して存在し、物語において若者の悩みと逡巡、変化を見事に体現している。