- 著者
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小谷野 敦
- 出版者
- 国際日本文化研究センター
- 雑誌
- 日本研究
- 巻号頁・発行日
- vol.38, pp.297-313, 2008-09-30
田山花袋の『蒲団』については、さまざまに評されているが、中には、伝記的事実を知らず、ただ作品のみを読んで感想を述べるものが少なくなく、また伝記的研究も十分に知られていないのが実情である。本稿では啓蒙的意味をこめ、ここ十数年の間に明らかにされた手紙類を含めて、その成立経緯を改めて纏め、「横山芳子」のモデルである岡田美知代と花袋の関係を纏めなおし、花袋がどの程度美知代に「恋」していたのかを査定するものである。