著者
小竹 光夫
出版者
奈良学園大学
雑誌
奈良学園大学紀要 = Bulletin of Naragakuen University
巻号頁・発行日
vol.11, pp.75-84, 2019-09-30

奇しくも、「昭和」から「平成」に続いて、「平成」から「令和」への改元に遭遇することとなった。元号に対しては、さまざまな立場・思想に基づいて多くの主張があるところである。ある意味で自主・自治が認められている大学という環境下では、頑ななまでに元号不使用を唱える研究者もおり、それは授業資料の日付表記にまで及んでいた。思想がないと叱責されるかも知れないが、論者にはそこまでの主張はなく、元号にしても、西暦にしても、必要に応じて使い分ける、あるいは併記するという形で用いてきたのが実際のところである。明治以降、我々は「一世一元」を通常と考えてきたが、今回の改元は「生前退位」という形をとり、我々が常識と考えてきた形態とは異なるものとなった。歴史を遡れば、「一世一元」の方が稀であり、従前はいわゆる「年号」として扱われていたのであるから、法的な立場を離れればこと珍しいことではない。本論においては、「元号」の思想的な部分に焦点を当てるのではなく、極めて「特殊」な形で提示された「令和」という墨書文字に切り込み、論者が関わる書写書道教育、つまりは文字学習の視点からの問題点を分析し、考察を加えようとしている。なお、新元号の発表が4月1日、改元が5月1日であったことから、掲げる資料の多くがキャプチャー画像によることをお詫びするとともに御理解いただきたい。

言及状況

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書写教育の立場から【令】の字形を論じた論文。発表時の墨書の書写教育への影響について学生に投げかけたり、街中の【令】を採集したり。特に、墨書の最終画の終筆部を気にされていて、墨書からその部分を消したりもしている。 小竹光夫「提示された「令和」をめぐる字体考」 https://t.co/JwnpZAtI3Y https://t.co/yMIarCeNgu

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