著者
山本 欣司 Kinji Yamamoto
雑誌
学校教育センター年報 (ISSN:2432258X)
巻号頁・発行日
no.3, pp.39-47, 2018-02-23

別役実の短編小説「愛のサーカス」は、かつて中学校1 年生向け国語教科書に掲載されていた、ユニークな内容の教材である(『新しい国語1』、『新編新しい国語1』東京書籍、平成二年度~十二年度)。十年以上のブランクを経て、平成二十六年度より高等学校向けの国語教科書に掲載されることとなった(『探求現代文B』桐原書店、高校3 年生配当)。なぜこのように配当学年が大きく変わったのか。それは「細部の発見」によって、小説の解釈が大きく変化したためだというのが本稿の主張である。これまで見すごされてきた「細部」(根拠)に着目することで、中心人物の一人である少年の人物像の理解が深まると同時に、それと連動する形で変化したラストシーンの論理的な説明が複雑であるため、配当学年が大きく変化したのではないかと主張した。

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なんか「愛のサーカス」を教科書に載せたときの、「街中で起きた感動的な話に対して、実はサーカスの演目だったことを明かして料金を集める」という内容に対して、予想してた生徒の反応と違って困った話を思い出す。 別役実「愛のサーカス」を読む、山本 欣司 https://t.co/vmVGr8VtUI https://t.co/ov85mdboYg

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