著者
島田 大輔 Daisuke Shimada
出版者
同志社大学一神教学際研究センター(CISMOR)
雑誌
一神教世界 = The world of monotheistic religions (ISSN:21850380)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.64-86, 2015-03-31

本稿は、戦前期日本における回教政策に関して、大日本回教協会を中心に実証・分析を加えたものである。従来の研究では、一次史料の収集・比較分析は不十分であり、必ずしも実態が明らかではなかった。第一に、あまり分析されてこなかった四王天延孝会長期も含めて、回教協会の組織運営・諸活動の実態を通史的に明らかにした。第二に、日本政府からの補助金・事業指示の分析をもとにして、大日本回教協会を、外務省の回教政策を実行するために設立された、外務省の外郭団体だと明らかにした。第三に、陸軍の回教政策とは異なった観点に立つ、外務省の回教政策の内実を明らかにした。外務省の回教政策とはすなわち、中東を中心に全イスラーム世界を対象とし、手法として文化工作を最重視することであった。極東占領地内に回教政策を局限した陸軍との間にはある種の棲み分けがなされていた。ただし、戦局の悪化、回教協会に対する大東亜省の影響力増の結果、以上の図式は崩されることになった。

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@LunRon5 時期的に見て、林銑十郎会長時代(1938-1942)に大日本回教協会が東京で開催したという「世界回教徒大会」のことでしょうか。 https://t.co/CS9aVI7TUE https://t.co/VnvJC1Azlj
@sakura_ariake 島田大輔「昭和戦前期における回教政策に関する考察 : 大日本回教協会を中心に」75頁にある、「世界回教徒大会」のことかなあ。第1回は1939年で、1940年の第2回は開戦のために開催できなかったようで。こんな動きもあったんですねえ。https://t.co/PuVebL1qHe

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