著者
阪本 憲司 沖増 英治 雨村 明倫
出版者
福山大学
雑誌
福山大学附属内海生物資源研究所報告 (ISSN:09178147)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.1-15, 1994-12

因島近海から未知の有用微細藻類の探索を行い,35℃でも増殖可能な耐高温性を示す微細藻SY-4を分離した。SY-4は,直径5μmの単細胞で,浮遊性を示し,繊毛や鞭毛の類を持っていない。増殖は,細胞の2分裂によって行う。SY-4は,原核細胞で,同化色素にフィコシアニン,アロフィコシアニンなどの色素蛋白質を含有していることから,藍藻の一種シネコキスチス属(Synechocystis)に属することが判った。SY-4は,ナンノクロロプシス用施肥培地で,培養温度25℃,塩分濃度10‰,pH7付近の条件下で,最も良好な増殖を示した。A microalga, SY-4, capable of growing well at 35℃ was isolated from the Mekari Strait, Seto inland sea. SY-4 was characteristic of procaryote and unicellular spherocyte (4-5 μm in diameter) containing phycobiliprotein, and was classified into a blue-green alga (cyanobacterium), Synechocystis. SY-4 grew autotrophically and utilized ammonium sulfate more efficiently than sodium nitrate. Its optimum temperature, salinity and pH for growth were 25℃, 10‰ and 7, respectively
著者
板野 公一
出版者
福山大学
雑誌
福山大学附属内海生物資源研究所報告 (ISSN:09178147)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.1-11, 1996-12

ワムシの増殖を阻害するツリガネムシの駆除法について,ホルマリン,次亜塩素酸ソーダ,マラカイト・グリーンの3試薬および高塩分濃度海水を用い,それぞれの濃度を変化させて試験を行った。いずれの試験区においても短時間でワムシの増殖に影響を与えずツリガネムシを駆除することは困難であった。しかし,マラカイト・グリーンにおいては,低濃度および24時間の浸透で効果的な結果が得られた。最適試薬濃度は10〜20pp皿付近であった。
著者
松本 正樹 松本 良樹 沖増 英治 雨村 明倫
出版者
福山大学
雑誌
福山大学附属内海生物資源研究所報告 (ISSN:09178147)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1-10, 1991-10

マダイ,ヒラメ,アユ仔稚魚の餌料としてのワムシに光合成細菌の生菌,加熱死菌,圧力破壊菌をそれぞれ添加して飼育実験を行った結果,マダイでは光合成細菌の生菌,加熱死菌なちびに圧力破壊菌のすべてに成長促進,生残率向上の効果が認められた。アユについては加熱死菌添加の場合に成長促進,生残率向上の効果が認められたが,他の試験区は無添加区と変わらなかった。ヒラメでは飼育30日間において成長促進効果は認めちれなかったが,生菌,加熱死菌添加に生残率向上効果が認められた。