著者
清水 宏美 沖増 英治
出版者
福山大学
雑誌
福山大学生命工学部研究年報 (ISSN:13473603)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.17-27, 2003-09

ヒラメ成長ホルモン遺伝子にDNA多型があること,そして成長ホルモン遺伝子のハプロタイプとゲノタイプの種類とその発現頻度の違いが体重別グループで明らかになった。ヒラメの成長ホルモン遺伝子において認められたDNA多型は成長特性に何らかの影響を与えているのではないかと考えられる。ヒラメの成長ホルモン遺伝子におけるSau3AI断片多型のさらなる詳細な構造解析,ならびにRFLPと成長曲線の相関性を明らかにすることにより,マーカー選抜育種の応用に役立つと考えられる。成長ホルモンは,その成長促進活性に加えて浸透圧調節,電解質バランス調節,他の代謝機能等を含んでいるため,成長ホルモン遺伝子はクローニング,シークエンスが行われ,その発現の研究が盛んに行われている遺伝子の一つである。体の大きさの違いにより成長ホルモン遺伝子多型が認められ,遺伝マーカーとしての利用が可能になれば,マーカー選抜育種の一助になると考えられた。
著者
阪本 憲司 沖増 英治 雨村 明倫
出版者
福山大学
雑誌
福山大学附属内海生物資源研究所報告 (ISSN:09178147)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.1-15, 1994-12

因島近海から未知の有用微細藻類の探索を行い,35℃でも増殖可能な耐高温性を示す微細藻SY-4を分離した。SY-4は,直径5μmの単細胞で,浮遊性を示し,繊毛や鞭毛の類を持っていない。増殖は,細胞の2分裂によって行う。SY-4は,原核細胞で,同化色素にフィコシアニン,アロフィコシアニンなどの色素蛋白質を含有していることから,藍藻の一種シネコキスチス属(Synechocystis)に属することが判った。SY-4は,ナンノクロロプシス用施肥培地で,培養温度25℃,塩分濃度10‰,pH7付近の条件下で,最も良好な増殖を示した。A microalga, SY-4, capable of growing well at 35℃ was isolated from the Mekari Strait, Seto inland sea. SY-4 was characteristic of procaryote and unicellular spherocyte (4-5 μm in diameter) containing phycobiliprotein, and was classified into a blue-green alga (cyanobacterium), Synechocystis. SY-4 grew autotrophically and utilized ammonium sulfate more efficiently than sodium nitrate. Its optimum temperature, salinity and pH for growth were 25℃, 10‰ and 7, respectively
著者
松本 正樹 松本 良樹 沖増 英治 雨村 明倫
出版者
福山大学
雑誌
福山大学附属内海生物資源研究所報告 (ISSN:09178147)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1-10, 1991-10

マダイ,ヒラメ,アユ仔稚魚の餌料としてのワムシに光合成細菌の生菌,加熱死菌,圧力破壊菌をそれぞれ添加して飼育実験を行った結果,マダイでは光合成細菌の生菌,加熱死菌なちびに圧力破壊菌のすべてに成長促進,生残率向上の効果が認められた。アユについては加熱死菌添加の場合に成長促進,生残率向上の効果が認められたが,他の試験区は無添加区と変わらなかった。ヒラメでは飼育30日間において成長促進効果は認めちれなかったが,生菌,加熱死菌添加に生残率向上効果が認められた。