著者
山原 一輝 今野 晃市 千葉 史 佐藤 真麻
出版者
編集:日本情報考古学会 発売:勉誠出版
雑誌
情報考古学 (ISSN:13424084)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1-2, pp.23-31, 2012-01-01

石器の接合資料は、旧石器時代と縄文時代の人々の生活を調査するための重要な資料である。石器は、石核と呼ばれる原石から剥片と呼ばれるパーツを剥離させ、その後道具として使用するために、剥片を整形したツールである。石器を作成する過程で排出される剥片を接合し、石器の加工工程を再現することで、石器製作者の製作意図や行動、技術力、生活範囲などさまざまな情報を得ることができる。石器の加工工程を再現するためには、同一の石核から製作された石器同士を接合し、隣接する石器の位置や姿勢を復元する必要がある。しかし、石器の接合資料の作成は手作業で行われているため、作業には多くの時間と労力がかかる。また、作業には石器が破損するリスクを伴うため、作業者の負担も大きい。そこで本論文では、計測点群から生成したポリゴンモデルを利用して、接合資料作成のための石器剥離面に基づく隣接関係検出法について提案する。本手法は、剥離面は滑らかな形状であり、剥離面同士の境界は、稜線を構成していることに着目して、曲率に基づいて稜線を抽出する。次に、抽出された稜線で閉領域を構成し、剥離面を抽出する。最後に、同一の母岩に属している各石器の剥離面同土でペアを作成し、ペアに含まれるポリゴンが幾何学的に一致するかどうかを評価する。その結果、石器間の隣接関係を検出することが可能となる。