著者
増田 悦夫
出版者
流通経済大学
雑誌
物流問題研究 (ISSN:13462016)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.33-48, 2008-11

人・モノの状況や周辺環境の状況などを検知・認識するセンサの開発や利用が進んでいる。単体としての利用の他に,通信ネットワークやデータベースなどと連携させた高度な利用法の検討も進められている。物の輸配送や保管などを基本機能とする物流においても,安全・安心の確保,環境調和などの点から今後の積極的な活用が期待される。本稿では,物流分野におけるセンサ活用の現状と今後の展望について論じた。まず,センサの概要として,その必要性と役割,仕組み,センサの種類と用途例,利用パタンについて一般的な整理を行った。続いて,物流分野に焦点をあて,物流の使命を果たすための基本的課題を整理し,その課題の解決にセンサがどのように寄与し得るかの観点からセンサの役割を整理した。さらに,物流の現状における主要な活用事例として車輌運行状況や荷物輸送状況の監視といった輸配送に関連するもの,仕分けの自動化やピッキングミスの自動検出といった物流センタ業務に関連するものなどを紹介した。最後に,現状のセンサ活用状況を,前述の物流におけるセンサの役割の整理と対応づけて整理するとともに,その結果に基づき,今後期待される活用についての展望を述べた。
著者
古田 伸一
出版者
流通経済大学
雑誌
物流問題研究 (ISSN:13462016)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.15-35, 2001-12
著者
藤井 憲雄
出版者
流通経済大学
雑誌
物流問題研究 (ISSN:13462016)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.1-16, 2008-11

今日,卸売市場を取り巻く生鮮食品等の物流環境は,需要の多様化小売構造の変化生産の大型化・国際化,IT革命の進展などを受け大きく変貌してきている。生鮮食品等の市場取扱量は伸び悩み,取扱高の基本となる市場価格は低下傾向にある中で市場内の荷卸し,仕分け,加工,保管,配送等の物流領域は増加しているが,その合理化は遅々としており,卸売市場の経営基盤を低下させる一因となってきている。また,市場機能面では,産地からの大型車による積み合わせ輸送や低温一貫流通への対応,需要者サイドからの仕分け,小口配送,リアルタイム納品といった要請への対応,さらにこれらに関係する情報化対応といった点で産地,需要者から厳しい指摘がなされており,対応の遅れが市場機能の低下に結びつく可能性が高まっている。したがって,今後,卸売市場を整備するなかでは,このような物流環境の変化を踏まえた対応を行うことが急務となっている。