著者
増田 悦夫
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.11, pp.788-797, 2018-02-01 (Released:2018-02-01)
参考文献数
23

第4次産業革命を推進する取り組みが進む中,ロジスティクス分野においても変革に向けた取り組みが積極的に進められている。人手不足や非効率な業務に悩まされているロジスティクス業界にとって,IoTやAI,ロボットなどの技術を取り入れたスマート・デジタルロジスティクスに対する期待は大きい。輸送や物流拠点における省力・省人化やサプライチェーンの最適化のための施策やそれを実現するためのロードマップが策定されるとともに,それに沿った取り組みが始まりつつある。民間企業においても,物流拠点における搬送やピッキングを行うロボットの導入,ラストマイルにおけるドローン配送の実験,サプライチェーンを最適化するためのソリューションの提供などが活発に行われている。人手不足,特にトラックドライバーの不足は深刻であり,隊列走行や自動運転の実用化に向けた取り組みが急ピッチで進められている。
著者
増田 悦夫
出版者
流通経済大学
雑誌
物流問題研究 (ISSN:13462016)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.33-48, 2008-11

人・モノの状況や周辺環境の状況などを検知・認識するセンサの開発や利用が進んでいる。単体としての利用の他に,通信ネットワークやデータベースなどと連携させた高度な利用法の検討も進められている。物の輸配送や保管などを基本機能とする物流においても,安全・安心の確保,環境調和などの点から今後の積極的な活用が期待される。本稿では,物流分野におけるセンサ活用の現状と今後の展望について論じた。まず,センサの概要として,その必要性と役割,仕組み,センサの種類と用途例,利用パタンについて一般的な整理を行った。続いて,物流分野に焦点をあて,物流の使命を果たすための基本的課題を整理し,その課題の解決にセンサがどのように寄与し得るかの観点からセンサの役割を整理した。さらに,物流の現状における主要な活用事例として車輌運行状況や荷物輸送状況の監視といった輸配送に関連するもの,仕分けの自動化やピッキングミスの自動検出といった物流センタ業務に関連するものなどを紹介した。最後に,現状のセンサ活用状況を,前述の物流におけるセンサの役割の整理と対応づけて整理するとともに,その結果に基づき,今後期待される活用についての展望を述べた。
著者
増田 悦夫
出版者
流通経済大学流通情報学部
雑誌
流通経済大学流通情報学部紀要 (ISSN:1342825X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.25-43, 2019-03

本稿では,購入商品を提示し決済する場所である,店舗のレジに着目し,人手不足への対応や収益の向上を狙いとして取り組まれている省力化・効率化策について,最近の動向をフォローするとともにそれらの対応策について今後の方向を展望した。レジの省力化・効率化策の動向については,①現金決済を基本とするレジにおける省力化・効率化策や製品の動向,②我が国におけるキャッシュレス決済の状況および今後に向けた取り組みとして拍車がかかっているQRコード決済の動向,さらに③Amazon Goの登場により注目を集めた,レジを必要としないレジなし店舗の動向,の3つの項目に分類し,それぞれについて整理した。即ち,①については,レジ業務を来店客に一部あるいは全部を分担させる省力化策として,セミ・セルフレジの導入や買物段階において商品のスキャンを来店客自身に分担してもらう方策を紹介した。さらに,レジの混雑状況を来店客の属性などにより自動的に予測するシステムを紹介した。②については,我が国のキャッシュレス決済の状況や政府の取り組みを示した上で,最近開発が活発化しているQRコード決済サービスの動向について紹介した。さらに③については,Amazon Goの仕組みや狙い,日本における類似システムの動向について紹介した。最後に,上記①から③で紹介したシステムについて,考察を加えるとともに今後の方向を展望した。レジの今後の省力化・効率化策としては,セミ・セルフレジの導入,QRコード決済の導入,入店・退店・商品ピックアップを自動認識する無人店舗の導入が進んでいくものと考えられる。
著者
増田 悦夫
雑誌
流通経済大学流通情報学部紀要 = Journal of the Faculty of Distribution and Logistics Systems, Ryutsu Keizai University
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.25-43, 2019-03-10

本稿では,購入商品を提示し決済する場所である,店舗のレジに着目し,人手不足への対応や収益の向上を狙いとして取り組まれている省力化・効率化策について,最近の動向をフォローするとともにそれらの対応策について今後の方向を展望した。レジの省力化・効率化策の動向については,①現金決済を基本とするレジにおける省力化・効率化策や製品の動向,②我が国におけるキャッシュレス決済の状況および今後に向けた取り組みとして拍車がかかっているQRコード決済の動向,さらに③Amazon Goの登場により注目を集めた,レジを必要としないレジなし店舗の動向,の3つの項目に分類し,それぞれについて整理した。即ち,①については,レジ業務を来店客に一部あるいは全部を分担させる省力化策として,セミ・セルフレジの導入や買物段階において商品のスキャンを来店客自身に分担してもらう方策を紹介した。さらに,レジの混雑状況を来店客の属性などにより自動的に予測するシステムを紹介した。②については,我が国のキャッシュレス決済の状況や政府の取り組みを示した上で,最近開発が活発化しているQRコード決済サービスの動向について紹介した。さらに③については,Amazon Goの仕組みや狙い,日本における類似システムの動向について紹介した。最後に,上記①から③で紹介したシステムについて,考察を加えるとともに今後の方向を展望した。レジの今後の省力化・効率化策としては,セミ・セルフレジの導入,QRコード決済の導入,入店・退店・商品ピックアップを自動認識する無人店舗の導入が進んでいくものと考えられる。
著者
増田 悦夫
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.11, pp.788-797, 2018

<p>第4次産業革命を推進する取り組みが進む中,ロジスティクス分野においても変革に向けた取り組みが積極的に進められている。人手不足や非効率な業務に悩まされているロジスティクス業界にとって,IoTやAI,ロボットなどの技術を取り入れたスマート・デジタルロジスティクスに対する期待は大きい。輸送や物流拠点における省力・省人化やサプライチェーンの最適化のための施策やそれを実現するためのロードマップが策定されるとともに,それに沿った取り組みが始まりつつある。民間企業においても,物流拠点における搬送やピッキングを行うロボットの導入,ラストマイルにおけるドローン配送の実験,サプライチェーンを最適化するためのソリューションの提供などが活発に行われている。人手不足,特にトラックドライバーの不足は深刻であり,隊列走行や自動運転の実用化に向けた取り組みが急ピッチで進められている。</p>
著者
増田 悦夫
出版者
日本物流学会
雑誌
日本物流学会誌 (ISSN:13493345)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.14, pp.117-124, 2006-05-28 (Released:2011-08-16)
参考文献数
12

今後の配送には荷主の要望にきめ細かく対応できる高度なサービスが望まれる。モバイル通信技術の進展を考慮すると、出先の個人荷主が依頼するC2C型の配送へも積極的に対応していくことが望ましい。本論文では、小口配送システムのうち特に地理上に不特定多数が広く分布する個人荷主に対し直接集荷を行う個別集荷型配送を取り上げ、実現性について基礎検討を行った。まず、従来の巡回集荷型配送との比較を通してその特徴を示し、続いて基本的なモデルを対象にシミュレーションを行い基本的特性を明らかにするとともに実用化に向けての課題を抽出した。